意外に多いい小さな擁壁のトラブル

意外に多い小さな擁壁のトラブル

もしあなたが買った土地に、想定外の事態が判明したらあなたはどうしますか?
自己防衛が自身の財産を守ります。

質問・・・・あなたは、購入を検討している2つの土地に高さ2mと高さ5mの新しい擁壁がそれぞれあります。あなたは、どちらの擁壁に       注意をしますか?

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答え・・・当然! 高さ5mの擁壁だと思います。

しかし意外なことに、高さ2m以下の擁壁にもトラブルが多いいのです。
それでは何故、比較的高さが低い2m以下の擁壁にトラブルが起きるのでしょうか?

その原因は「高さ2mを超える擁壁を造る場合は、行政への申請が必要で検査を受けなければならない法律があります。」ということです。
言い換えると「高さ2mまでの擁壁なら、好きなように造れます。」

専門的には、高さ2mを超える擁壁は「工作物の確認申請」、または「宅地造成の許可申請」の手続きが必要になります。(建築基準法または宅地造成規制法)
この法律により、造ろうとする擁壁の構造及びその地盤に対し、行政が審査します。その審査に合格した擁壁のみが造ることが出来るのです。

また、擁壁を造るプロセスで検査が行なわれ、この検査に合格した擁壁にのみ「検査済証」が発行されます。
それに比べ高さ2m以下の擁壁は、行政への申請が必要ないため、コストばかりが優先されてしまい、構造上の不備があったり、柔らかい地盤の上に擁壁が造られてしまい、結果として数年後に擁壁の沈下、傾き、クラックなどのトラブルが発生するケースが少なくありません。

高さ2m以下の擁壁だからといって、どんなの物を造っていいわけではありません。

擁壁は高さに関係なく、構造上の根拠がある物を造らなければなりません。(構造計算が大事

「2m以下、2mを超える」の意味は、法律があるかないかだけの意味です。

勘違いしていただきたくないのは、高さ2m以下の擁壁だからどんな方法で造っていい訳ではではありません。

自分のお住まいの行政(建築指導課)へ電話をして、「擁壁について教えてほしいのだけど、高さ2m以下の擁壁だからどのように造ってもいいですか?」と質問してみてください。
もし、工事業者が2m以下だから構造はどうでもいいようなことを言ってきたら要注意です。

大切なことなので・・・・・あなたへ質問をします。

2m以下の擁壁だから、10年後に壊れてもいいと思いますか?

ハイ・イイエでお答えください。

ここから先は、回答が「イイエ」の方のみお読みください。

では、2m以下の擁壁の場合は、どんな手抜き擁壁で造られているのか、下記に事例を記載します。

・L型RC擁壁の底盤幅が少ない。
・要求されている地盤の固さを確認しないで、柔らかい(盛土等)まま造る。
・鉄筋量を減らす。
・構造計算がされていない。
・擁壁の壁面に使用してはならない規格外ブロックで施工する。
・水抜きパイプを設置しない。

 

高さ2m以下の擁壁は、手抜き工事がしやすいの?

 

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一般にお客様が求めている擁壁は「品質に問題がなく、工事費が安い擁壁」だと思います。
この考え方は、お客様の立場で考えれば、擁壁に限らず全ての商品に当てはまる普遍的なニーズだと思います。

手を抜く業者は、安く仕事を請け負い、安く工事を施工して利益を出す。

お客様は、よく分からないので「安いこと」=「良いことだ」と考え、よく工事内容を確認しないまま、安い業者に仕事を任せます。そして数年後に、擁壁にトラブルが発生し、こんなはずでは・・・・・

もし、あなたがしっかりした擁壁を造りたいのであれば、最低限下記の事項を確認して自己防衛をしてください。
 ・工事の見積書を確認。
 ・図面を要求する(構造図、平面図)。
 ・構造計算の提出を求める。
 ・保証期間を確認する。
 ・上記の4項目が分かるよう契約書を作成する。
 ・完成後に図面通りに造れれてことが分かる、記録写真、品質記録をもらえるか確認する。

残念ながら建設業界には、まだまだ「リフォーム詐欺」・「姉歯事件」・「手抜き建築」などに代表されるような、悪徳業者が暗躍している現実があります。

擁壁は、あなたの大切な資産である土地に造る、半永久的なコンクリート構造物です。
その土地に「不適格擁壁」を造れば、間違いなく土地の価値は下がります。
土地に擁壁を造るということは、企業にたとえるならば、設備投資を行なうことに似ています。
その投資金額から、正当なリターン(土地の評価)が受けられるよう、自己防衛をしてください。

 

以上が、土地購入~知らないと損する大切なポイント~以外に多い小さな擁壁のトラブル編です。

最後まで、お読みいただきありがとうございます。

ここで説明をさせて頂いた内容は、代表的な事例を、分かり易くご説明しております。実際の土地取引の場合には、その他の問題も含め、複雑な状況があるのが現実です。これから土地を買おうとしているあなたは、購入後に後悔をしないよう、自己防衛することを忘れないでください。

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