擁壁・がけ崩れ110番 |
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宅地造成許可・工作物確認申請マニュアル
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1.マニュアルの目的 |
・何かと煩雑な擁壁(宅地造成・車庫・外構・擁壁)工事に関しての「関係法令」をこのマニュアルで、可能な限り、簡潔にポイントを表現し、宮澤建設㈱の社員が理解をし、見積もり、営業活動、工事の実施に役立つことを目的とする。
・宮澤建設㈱の社員が、擁壁(宅地造成・車庫・外構・擁壁)工事を見積、設計を実施する場合にこのマニュアルを参照し、基本事項を把握できるようにすること
・法令に関することは、一担当者レベルで独自に判断をすることではないことを認識すべし、マニュアルの内容が、理解できない場合は、設計責任者の河原に相談するべし。
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2.当社の宅地造成許可・工作物確認申請に対する認識
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・「工作物確認申請」「宅地造成許可申請」などの「法令に関すること」「設計に関すること」は、当社の主力商品である「擁壁」を売り上げる上の、「入口戦略」として、重要な位置付けであることを認識すべし。
・「入口業務」の中で、問合せ~営業~見積もり~説明~契約を行うのは、営業担当者である。その時の説明、約束がその後の「出口業務」である、設計~申請~施工~引き渡し~集金に大きな影響を及ぼすことを認識すべし。
・一担当者が悩むべき問題でないことを認識すべし。
・不明な点は、行政窓口に直接確認し、その内容を理解する努力をするべし。
・大切なのは、問題点を予測し、解決し、スムーズに仕事を進めることだと認識すべし。
・問題点を見つけ、その解決方法が分からない場合は、社内や外部のブレーンに気軽に聞ける環境を整えることが何よりも大切だと認識すべし。
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3.工作物確認申請のあらまし
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・建築基準法施行令第138条第1項第5号に「高さが二メートルを超える擁壁」との記述がある。
・同じく第142条に「擁壁」の記述がある。
・建築基準法第6条の規定により申請する。
・よって「高さ2.0mを超える擁壁」を造る場合は、全国で適用される法律である。
・「建築基準法」と「宅地造成規制法」は別である。
・擁壁に関する構造、技術は、宅地造成規制法の擁壁と同じと考えてよい。
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4.設計に入る前の確認事項
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キックオフミーティング等を通じて下記事項を営業担当者と設計者の間で確認すること。 |
設計方針について |
・設計範囲の確認
・不可抗力の確認
・契約内容の確認
・お客様の要望確認・優先事項の確認(予算・時間・形状)
・助成金の適用の有無
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地盤調査について |
「地盤調査について」の項目参照
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助成金について |
・助成金額の想定
・横浜市担当部署への事前相談
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新築住宅の上載荷重について |
・上載荷重とは、擁壁の上に乗る住宅の重みと考えてよい。
・新築住宅の上載荷重について、ハウスメーカー・工務店と確認するべし。
・横浜市・川崎市型の標準擁壁の上載荷重は、原則10kn/㎡である。
・単位=kn/㎡(読み方:キロニュートンパーヘイバイ) 10kn/㎡=1.0tは同じ意味
・過去の事例 三井ホームの木造2階建て15kn/㎡ 積水ハウス13kn/㎡
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6.工作物確認申請 期間について
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・お客様との契約から工作物確認申請済証の発行まで概ね45日(1.5か月)の期間を必要とする。
・この45日には、ロス時間も含む、実働時間=設計・申請期間でないことを認識すべし。
・実働時間は、概ね45日間中10日間程度(原価として15万~20万)程度である。
・全体の工程を考えると、当社の努力でコントロールできる工程は、「契約~図面作成16日間」までである。
・その後の工程は、当社でコントロールしにくい相手(お客・行政)であり、工程短縮を短縮しにくいメカニズムであると認識すべし。
・よって急いでいるときほど、スタートからの16日間を短縮する努力をすべきである。
・下記に通常の工程表を記載するので、参考にするべし。
・また現場の難易度により、45日が前後するのは言うまでもない。
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9.宅地造成許可申請の期間について |
宅地造成許可申請が必要な工事
事例・・・・1区画程度のの個人住宅用地で、切車庫、擁壁の改修、盛り土が必要で宅地造成の許可申請を行う場合
横浜市・・・・2か月(60日)
川崎市・・・・2ヶ月半(75日)・・・・条例手続き含む
藤沢市・・・・3ヶ月(90日)・・・・条例手続き含む
横須賀市・・・・2か月(60日)・・・・100m3以上の残土処分を伴う工事の場合は、3か月(90日)
上記の期間には、現況測量、打ち合わせ、地盤調査、ロスタイムの全てを含みます。
また上記以外の工事(複数区画の宅地造成許可申請、開発行為は、担当の河原に相談してください。)
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地盤調査について
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・地盤調査またはその結果は、擁壁設計に関して重要な位置付であることを認識すべし。
・そのため基礎知識を有してから、お客様や行政、ハウスメーカーと打合わせすべし。
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下記の項目をよく理解し、方針方向性を確認すべし。
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想定地耐力の把握 |
事前に擁壁に必要な地耐力を把握するべし。
H2.0m=100kn/㎡ H3.0m=150kn/㎡ H4.0m=200kn/㎡ H5.0m=200kn/㎡
L型RC擁壁の場合は、概ね上記の地耐力を想定すべし。
単位=kn/㎡(読み方:キロニュートンパーヘイバイ) 100kn/㎡=地耐力10tは同じ意味
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スゥエーデンサウンディング試験(以下SS試験) |
SS試験は、擁壁の地盤調査方法として、認定されていないことを認識すべし。
またお客様ならびに専門知識がない業者は、その認識がない場合が大多数でる。
しかしSS試験データーは、参考値としては有効なので、データーある場合は、お客様からもらうべし。
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審査機関への事前確認 |
行政により、地耐力が10t程度の場合や明らかに地盤の支持力が満たされている場合は、「SS試験」のデータで代用出来たり、うまくいくと、地盤データーの提出が免除される場合もあるので確認するべし。
また匿名で電話相談をし、方向性を探るのも有効である。 |
地盤調査方法の決定・発注 |
SS試験データーが入手できた段階で、設計者に相談、調査方法を決定する。
多々この段階で、確認審査機関(行政・民間)とのコンセンサスを得る。
その後、地盤調査会社に発注する。
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当社の原則 |
通常当社では、地盤調査方法を、「標準貫入試験」(通称:ボーリング試験)と「三軸圧縮試験」(土質試験の種類)の組み合わせで考えています。
よって、見積もりまたは契約書には、上記の方法で費用が計上されている場合がほとんどです。
しかし調査方法コスト、特性を考えた場合に、「平板載荷試験」またはその他の方法の選択もありますので、調査を実施する前の発注前の段階での打ち合わせが大切になります。
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地盤調査の発注、実施 |
速報値の確認、調査報告書最終納品日の確認
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法令的根拠 |
地盤調査方法の決定に際しての、法令的根拠は下記にありますので、認識すべし。
m1 manilyuaru.html へのリンク
「平成13年7月2日国土交通省告示第1113号」
地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を求めるための地整調査の方法並びにその結果に基づき地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力を定める方法等を定める件
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横浜市の場合 |
横浜市建築構造設計指針「2-2直接基礎の設計」参照
(1) qa≦50
kN/m2(qa:長期許容応力度)の場合
設計者が必要と判断した場合に限り、平13国交告第1113号第1に示された試験方法のうち適切な方法により確認する。
(2) 50<qa≦100 kN/m2の場合
平13国交告第1113号第1に示された試験方法のうち、設計者が適切と判断した方法により確認する。
(3) 100
kN/m2<qaの場合
以下に示す地質調査により確認をすること。(一軸又は三軸圧縮試験の場合は原則として、qa≦120kN/m2)
平板載荷試験 一軸又は三軸圧縮試験
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地盤データーの公開 |
下記リンク先より、近隣データーを見てみる。
横浜市・・・・「環境地図情報」の中の地盤情報を参照する
神奈川県・・「かながわ地質情報MAP」
東京都・・・・「東京都土木技術センター」 東京都下水道台帳・・・「東京都下水道局」
ジオテック㈱・・・「ジオダス」のフリーサービス参照
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U型側溝について
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・擁壁下のU型側溝については、工作物確認申請では設置の義務がない。
・しかし確認審査機関(民間・行政)によっては、隣地の承諾書を求めるケースもあるので、注意が必要である。
・既存擁壁の下にU型がすでにある場合は、新設後U型側溝を布設する方向で良い。
・現状U型側溝がない場合は、新設後もU型側溝を布設しない方向で良い。
・新しくU型を敷設する場合は、流末接続の難しさ(隣地との交渉、コスト面)があることを認識すべし。
・お客様や隣地者、確認審査機関に対し、知識なくU型側溝の話題をすることは、有効面積の減少、コスト高の「藪蛇」になる場合があることを認識すべし。
参考・・・・・横浜市道路局 構造物標準図集
参考・・・・・横浜市環境局 下水道設計標準図
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12.高さ2.0m以下の擁壁について
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・高さが2.0m以下(工作物確認申請・宅造許可の必要なし)の擁壁を築造する場合には、下記事項を留意すること。
1.原則的に申請、許可の有無に関わらず、構造計算が適用されている擁壁を築造すること。
2.工作物確認申請の必要がない高さの擁壁(2.0m以下)だから、「何を造ってもよい」と考えるのは、邪道と認識すべし。
3.当社は、お客様のために擁壁を造るのであり、行政のために擁壁を造るわけではないことを認識すべし。
4.よって、法律、条例の有無に関わらず、責任ある擁壁(構造が証明できる)を造ることが正道である事を認識すべし。
5.事情により、構造が証明できない擁壁を造る場合は、お客様にそのデメリットを説明し、了解後、仕事を請け負うこと。
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